型取り技術の基礎知識 石膏型の作り方(半面)

道具・工具・DIY

型を取る方法と言ってもかなりいろんな方法があります。
今回はモノ作りで一番基礎と言ってもいい石膏の半面型の記事を書きます。

まず型取りをするための原型を用意する必要がありますが、石膏で反面型を作る場合基本的には固まった石膏が抵抗なくすんなり外れるような形である必要があります。
それでは実際に作ってみます。

今回は油粘土を使用して(美)と言う文字を作ってみました。
写真では分かりにくいかもしれませんが簡単な絵を描きましたのでこちらを見てください↓断面図

左側の絵は真上に石膏が引き抜けますが右側の絵では矢印の部分が噛み込んで抜けません。
(粘土で作っているので抜けなくはないのですが)

このようにオーバーハングしている部分は少ない方が安全に型が外せるので原型を作って型取りをする場合には意識するべきです。

それから原型を紙粘土やその他の硬い物で用意した場合はオーバーハングしていた場合型が外れなくなりますので注意が必要です。
そもそもモノ作りをしている人は硬い物に対して石膏で型を取ると言うような事はあまりしませんので、もし硬いものの型を取りたいと考えるのであればシリコンとかアルギン酸等の柔らかい素材での型取りを考えるのも一つの方法です。

さて、まず原型をフラットな作業版の上に乗せますが、作業版には養生テープのような表面がツルツルしたテープを貼っておいたほうが石膏を流したあと型を外しやすくなるので良いかと思います。
原型の周りにダンボールで枠を作ります。
これは別にダンボールでなくても良いのですが使い捨てになってしまうのでダンボールで十分です。
ただ何の材料で枠を立てても良いのですが内側に養生テープ等を貼っておいた方が良いでしょう。

ダンボールと作業版の隙間はグルーガン(ホットメルト)で固定します。
グルーガンは100円ショップの物でもOKです。

水と石膏を混ぜます。
水と石膏の比率ですが文章で書くよりも絵で描いたほうが早いので↓の絵を見てください。

 

下手な絵なので何を描いているのかよくわからないと言われるかも知れませんが、まず水を用意して、そこに石膏を少しずつ振り落としていきます。
一気にたくさん入れるのではなく少しずつ振り落とします。
水の表面まで石膏が降り積もったら5分ほど待ちます。
少し石膏が沈んでくるかと思いますのでまたそこで石膏をふるい落として表面まで入れます。
これが適量です。

適量まで石膏が入ったらヘラを使って静かに混ぜます。
3分くらいはしっかり混ぜたほうが良いでしょう。

石膏の作り方はいろいろな人がいろいろな方法で紹介していますが水に適量の石膏を入れてしっかり混ぜれば多少雑に作ってもそんなに変なものは出来ませんので気楽にやれば良いでしょう。

原型に静かに石膏を流し込みます。
あらかじめ筆で薄く塗ってから流し込むのも有効な方法です。

最後に作業版ごと揺らして泡を抜きます。
この時揺らしすぎて型枠を壊さないように注意して揺らしましょう。

30〜40分程で固まりますが心配なら半日以上は放置した方がより石膏が固くなるような気がします。(気がするだけかも知れませんが)

ダンボールを除去して反転します。

粘土を除去したら型の完成です。

今回は油粘土で原型を作ったので石膏に食いつくような事はありませんでしたが小麦粉粘土や紙粘土等を使うと石膏に噛み込んでうまく外れないという事も起こります。

石膏に食いつくか食いつかないかは事前に実験しとくのが良いかと思います。
それから紙粘土やファンドのような硬い粘土を使う場合は型取り前にラッカースプレー等でコーティングしておくと問題なく外せるのでいろいろ試してみると良いでしょう。

おすすめの石膏は吉野石膏のA級です。↓

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