型取り技術の基礎知識 石膏の水離型を使ったポリ成形

道具・工具・DIY

石膏で型取りをした後に何で成形するのか… と言う問題。
よくある方法が石膏型→石膏を流す。
よく美術系の学生が最初の型取りの授業でやる方法ですね。それから美術室にあった石膏像なんかが思いつきます。
(美術室の石膏像はたぶんシリコン型ですが…)

今回は一歩進んで石膏型にポリエステル樹脂を流し込んで整形してみます。
ポリエステル樹脂は大掛かりな遊具や造形物小型の舟等によく利用される樹脂で、扱いが比較的簡単で単価が安い事で知られています。
ガラス繊維等と組み合わせて使われる事が多いです。

今回使う石膏型は前回の記事で作った石膏型です。

型取り技術の基礎知識 石膏型①
↑前回の記事、石膏での型取り

水離型と言う技術。
石膏型をキレイに洗って水に漬け込みます。

しっかり1時間くらい漬け込む方が良いですがこの型は小さいので10分ほど水に漬け込みました。

石膏の表面をよく拭きあげ水気を取ります、石膏がしっかり水に浸されていれば、拭きあげても表面がしっとりしていてカラカラにはなりません。
この状態を利用して水離型を行います。

ポリエステル樹脂は買った状態だとシャバシャバで筆塗りには適しません、そのままでも塗れなくは無いですが。
流し込む場合はそのままでも良いです。
タルクと呼ばれる滑石の粉を入れて増粘します。
ホットケーキミックスくらいになるまで増粘します。
ちなみにタルクの代わりに小麦粉を入れる人やベビーパウダーを入れる人もいるようですがあまりオススメはしません。

お好みで顔料を入れると樹脂に好きな色を付けられます。
私は黒い顔料を入れました。
硬化剤を入れてよく混ぜます。
硬化剤は使うメーカーによって配合比が少し違うみたいですが1〜2%くらいです。
筆で丁寧に一層塗り込みます。

硬化剤の量にもよりますが1〜2時間で固まり始めますのでもう一層塗ります。
この時にガラス繊維も一緒に塗り込みます。

しっかり硬化したことを確認したら型から外します。
キレイに外れました。
さて、水離型には弱点があります、それは整形品の表面の樹脂が完全に硬化していないと言う致命的な弱点です。

ですから未硬化の部分はシンナーかアセトンで洗い流す必要があります。

↑筆を使い優しく洗い落とします。

少し表面が丸くなりましたが完成です。

そもそもポリエステル樹脂と水はものすごく相性が悪く水に触れている部分は樹脂が固まらないと言う弱点があります。
ですからそれを利用してシットリ水を含んだ石膏に樹脂を塗り込み石膏と樹脂が接触している部分を不良硬化させて離型膜を作ると言う技法になります。
だから最後に不良硬化した樹脂を洗う必要があるのです。

ちなみに少しだけ不良硬化を減らす方法もあります、それは一層目の樹脂の硬化をなるべく早くして脱型後になるべく乾燥させて熱を与える事です。
これで少しは不良硬化は減ります。

型取り技術にせよ成形技術にせよいろんな方法がありますが、どれをとっても一長一短がありますね。

適材適所工夫して使い分けたい所です。

ところで今回使用した筆を洗う方法ですがシンナーやアセトンで洗う方法が一般的です。
可燃性の危険物ですがマニュキュア落とし(除光液)が有効です。 手に入れるのが難しい人は試してみるとよいと思います

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型取り技術の基礎知識 シリコンのブロック型

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コメント

  1. 遠藤 より:

    しかし何でもやる方なのですね。敬服いたします。
    私は少し特殊な仕事をしているのでジャンルを跨いで様々な物を作っておりますが、趣味でここまでやるとは凄いと思いました。

    • より:

      広く浅くがモットーなので何でも手を出してしまいます。
      ただ手を出しすぎてどれも中途半端感は否めません。